個人輸入の関税・消費税

個人輸入は何個まで?化粧品・サプリ・薬の量の上限と数え方(2026年10月)

AliExpressや韓国の通販サイトで、化粧品やシャンプー、サプリ、家庭用の美容機器をまとめて買う人は多いと思います。こうした品物には、関税とは別に「自分用として厚生局への申請なしで輸入できる量」の決まりがあります。化粧品は個数で、薬は何か月分かで数え、範囲を超えると地方厚生局での手続きが必要です。人に売ったり譲ったりすることも認められていません。この記事では厚生労働省、税関、農林水産省の公式ページと通知の原文をもとに、品目ごとの上限と数え方、超えたときの扱いを整理しました。

  • 化粧品は標準サイズで1品目24個以内、60g・60ml以下の少量品は1品目120個以内。口紅はブランドや色に関係なく合計24個
  • 塗り薬や目薬などの外用剤も1品目24個以内。それ以外の医薬品・医薬部外品は用法用量からみて2か月分以内、毒薬・劇薬・処方箋薬は1か月分以内
  • 家庭用の医療機器は1セット、使い捨てコンタクトや排卵検査薬などは2か月分以内。美容機器として売られていても医療機器にあたる場合がある
  • 食品・サプリの量の上限は公式サイトで確認できなかった。販売や配布に使わない自分用なら食品の輸入届出はいらない
  • 梱包を分けて送っても、同じ人が一定期間に輸入する同じ製品の総数で判断される
  • 個人輸入した物を人に売る・譲ることは認められず、ほかの人の分をまとめて輸入することも認められていない
  • 動物用の医薬品(ペットの薬を含む)は農林水産省の手続きが必要で、区分によっては輸入できない物もある

確認日 2026年10月23日(厚生労働省「医薬品等の個人輸入について」、税関カスタムアンサー1806 ほか)

量の決まりは関税とは別のルール

量の決まりは、関税・消費税とは別の医薬品医療機器等法(薬機法)のルールで、税がかからない安い買い物にもかかります。

厚生労働省の「医薬品等の個人輸入について」によると、個人が自分で使うために輸入する場合も、原則は地方厚生局に書類を出して証明を受けます。ただし決められた範囲内なら、特例として税関の確認だけで輸入できます。この範囲が個人輸入の量の上限です。営業のための輸入には厚生労働大臣の承認や許可が必要です。

税のほうは、海外通販の関税・消費税の入門で仕組みを、関税・消費税計算ツールで金額の目安を確かめられます。この記事では量の話に絞ります。

品目ごとの上限早見表

厚生労働省のページ、税関のカスタムアンサー1806、税関向けの通知(令和7年6月30日 医薬発0630第1号)、厚生労働省の質疑応答集(令和7年6月30日 事務連絡)にある数量をまとめました。税関の確認は受けますが、厚生局への申請はいりません。

品目 厚生局への申請なしで輸入できる量 数え方の例
化粧品(シャンプー・石けん・歯磨きなどで化粧品にあたる物) 標準サイズで1品目24個以内 シャンプーとリンスは別の品目で、それぞれ24個まで。口紅は色違いやブランド違いも合わせて24個まで
化粧品の少量品(内容量60g・60ml以下) 1品目120個以内 同じ品目で標準サイズと混ぜるときは(24−標準の個数)×5個まで。標準の化粧水10個なら少量は70個。口紅・香水などは除く
外用剤(軟膏などの外皮用薬、点眼薬、点鼻薬、点耳薬など) 標準サイズで1品目24個以内 毒薬・劇薬・処方箋薬、トローチ剤、坐剤などは除く
上記以外の医薬品・医薬部外品 用法用量からみて2か月分以内 1日3回2錠なら360錠。1箱20錠なら18箱
毒薬・劇薬・処方箋薬 用法用量からみて1か月分以内 1日1錠なら30錠
家庭用医療機器(電気マッサージ器など) 1セット(最小単位) 医家向けの医療機器は個人では輸入できない
使い捨てコンタクトレンズ 2か月分以内 1日使い捨ては60回分、2週間交換は4回分、1か月交換は2回分。2日間使える物なら30ペア。予備を含めて2ペアを最小単位としてもよい(カラーコンタクトも同じ)
そのほかの使い捨て医療機器 2か月分(最小単位) 入れ歯安定剤・コンドームは60回分、生理用ナプキン・絆創膏などの家庭用衛生用品は360個、月経カップは42個
体外用診断薬(排卵検査薬など) 2か月分以内 排卵検査薬は1日1回なら60個(1箱2個なら30箱)。妊娠検査薬は月に1回の物なら2個
食品・サプリ 数の上限は公式サイトで確認できませんでした 販売・配布に使わない自分用なら届出不要
動物用の医薬品等(ペットの薬を含む) 農林水産省の手続きが必要(区分によっては輸入できない物もある) 区分は農林水産省のページの図で確かめる

どの品目も、箱の数ではなく中身の量で数えます。厚生労働省のページには、一箱に複数入っている場合は箱数ではなく内容量で算出すると書かれています。

化粧品・シャンプーは標準サイズで1品目24個

あやしいヤクブツ連絡ネット(厚生労働省)によると、化粧品は「個人的に使用する場合に限り」個人の輸入が認められ、量は標準サイズで1品目24個以内です。

カスタムアンサー1806には「人体を洗浄するための石けんや、シャンプー、歯磨き類、染毛剤、浴用剤等も医薬部外品や化粧品に該当します。」とあります。海外のシャンプーや歯磨き粉のまとめ買いも対象です。医薬部外品にあたる物は、次の節の医薬品と同じ数え方になります。

口紅は「ブランド・色等にかかわらず24個以内」です(厚生労働省)。1つの商品ページで色を選んで何点も入れると、合計を数え忘れやすいところです。

数える単位の「品目」は、厚生労働省の質疑応答集によると、頭髪用化粧品類や化粧水類のような類別ではなく、シャンプー、リンス、トリートメントのような品目です。シャンプーとリンスは別の品目なので、それぞれ24個まで数えられます。

「標準サイズ」は、同じ質疑応答集で「一般家庭で使用する目的で市販されているサイズ」とされ、ドラム缶などの業務用サイズは除かれています。ミリリットルやグラムの数値での指定はありません。業務用の大きな容器は標準サイズから除かれているので、買う前に厚生局に確かめてください。

内容量が60g・60ml以下の少量の製品は別枠で、1品目120個以内です。1回分ずつ個包装された物は、1回分を1個と数えます。ただしファンデーション類、おしろいやパウダーなどの白粉打粉類、口紅類、アイシャドーなどの眉目頬化粧品類、爪化粧品類、香水類は、少量でもこの別枠に入りません。標準サイズと少量品を同じ品目で混ぜて買うときは、少量品は(24−標準サイズの個数)×5個までです。質疑応答集の例では、標準サイズの化粧水を10個買うなら、少量の化粧水は(24−10)×5=70個までになります。ミニサイズや小分けのパウチを箱で買う人は、標準サイズといっしょに頼むと枠が減る点を見落としやすいと思います。

養毛剤や浴用剤のように医薬部外品とみなされる場合もある物も、個人輸入では医薬品と同じ扱いです。

韓国コスメの税は韓国通販の関税・化粧品は無税の記事にまとめています。購入代行を使っても自分用の輸入であることは変わらないので、24個の数え方は同じです。

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医薬品・医薬部外品は2か月分、処方箋薬は1か月分

飲み薬などは個数ではなく、用法用量から何日分かを計算します。厚生労働省のページの例では、1日3回2錠の錠剤の2か月分は(2錠×3回)×30日×2か月=360錠です。1箱20錠なら18箱になります。

同じ考え方で、1日2回1錠の物なら1×2×30×2=120錠が2か月分です。1瓶60錠なら2瓶までです。毒薬・劇薬・処方箋薬は1か月分以内なので、1日1錠の物なら30錠になります。

質疑応答集には育毛剤の例もあります。ミノキシジルを含む育毛剤は、含有量が5%を超える物は劇薬として1か月分以内、5%以下の物は2か月分以内です。これを超えると輸入確認証が必要です。

量に関係なく個人では輸入できない薬

量が少なくても、一般の個人が輸入できない物があります。「数量にかかわらず厚生労働省の確認を必要とする医薬品」は、医師の処方箋などが確認できない限り、個人での輸入は認められていません。令和7年2月10日の通知では、健康被害のおそれがある医薬品成分が検出された製品として、ロイヤルハニーVIP(Royal Honey VIP)が加わりました。減肥や痩身をうたうカプセルなどの製品名も一覧に載っています。

個人の医薬品輸入は、海外で受けた治療を続ける人や旅行者の常備薬などへの配慮で認められているものです。厚生労働省は、医薬品の個人輸入には健康被害などのリスクがあり、得られる利益よりリスクのほうが大きい場合が多いとして注意を呼びかけています。日本で手に入る薬なら、国内の薬局や医療機関を通すほうが確かです。

サプリ・食品は数の上限が書かれていない

サプリや健康食品の量の上限は、公式サイトで確認できませんでした。厚生労働省の輸入食品監視業務FAQには「食品衛生法により、販売の用に供し、又は営業上使用することを目的として輸入する食品、添加物、器具又は容器包装、乳幼児用おもちゃについては、輸入者に対し、そのつど厚生労働大臣に対して届け出ることを義務付けています。」とあります。

大阪検疫所の案内でも、届出がいらないものに「個人用、試験研究用、社内検討用の食品等」が挙がっています。一方で、販売には不特定または多数の人への無料配布(販促用サンプルなど)も含まれるとされ、その目的で輸入する分は届出の対象になります。

注意したいのは、海外で食品として売られているサプリでも、日本では医薬品にあたる場合があることです。厚生労働省のページでは、医薬品成分を含む物や医薬品的な効能効果をうたう物は医薬品に該当する場合があるとされ、その場合は医薬品の数え方になります。商品ページで病気が治るような書き方をしている海外サプリは、食品のつもりで買わないほうがいいと考えます。

美容機器・コンタクトは医療機器の数え方

家庭用の医療機器は1セット(最小単位)までです。税関向けの通知では、家庭用マッサージ器、家庭用低周波治療器、家庭用温熱治療器、温灸器などが例に挙がっています。病院などで使う医家向けの医療機器は、一般の個人は輸入できません。

美容機器も無関係ではありません。厚生労働省のページには、美容機器などと称して売られていても、人の身体の構造や機能に影響を及ぼすことが目的とされている物と判断される場合は医療機器にあたるとあります。医療機器にあたる物なら、予備にもう1台という買い方は1セットの範囲を超えます。美顔器を複数台そろえたい人ほど、注文前に確かめたいところです。過酸化物を使う歯の漂白材(ホワイトニング)は、歯科医師の診査診断が必要な医療機器とされ、数に関係なく輸入確認証が必要です。

使い捨ての医療機器は2か月分を最小単位とし、入れ歯安定剤などの例は早見表のとおりです。

使い捨てコンタクトレンズは2か月分以内です。あやしいヤクブツ連絡ネットでは、1日使い捨ては60回分、2週間で交換する物は4回分、1か月で交換する物は2回分、レンズケアをしながら長く使う物は2ペアとされています。2日間使える物なら(30日×2か月)÷2日分=30ペアです。質疑応答集では、カラーコンタクトも含めて、破損しやすいため予備を含めて2ペアを最小単位としてもよいとされています。

体外用診断薬は、何回も使う物は2か月分以内、1回の使用で目的を果たす物は1個です。

分けて送っても総数で数える

あやしいヤクブツ連絡ネットには次のように書かれています。

「梱包を分割等し、1梱包当たりの医薬品等の数量を、輸入確認証を取得せずに個人輸入が可能な数量となるように限定した場合であっても、同一輸入者の特定期間における同一製品の輸入総数量が輸入確認証を取得せずに個人輸入が可能な数量を超えている場合は、輸入確認証の取得が必要です。」

特定期間は、毒薬・劇薬・処方箋医薬品が1か月間、それ以外の内用医薬品・医薬部外品が2か月間、使い捨て医療機器(使い捨てコンタクトレンズなど)が2か月間などです。海外通販は1つの注文でも何回かに分かれて届くことがよくあります。荷物が小さいと上限を忘れがちですが、見られるのは同じ人が一定期間に輸入した同じ製品の総数です。ここはいちばん見落としやすい点だと思います。

注文前に数を数える手順

化粧品やシャンプー、家庭用の機器を海外通販で買うときは、カートを確定する前に次の順で数えておくと安心です。

  1. カートの商品を、化粧品、養毛剤・浴用剤など、家庭用の機器、食品に分ける
  2. 化粧品はシャンプー、リンスのような品目ごとに、色違いも含めて合計する。60g・60ml以下の少量品は120個の枠(口紅・ファンデーション・香水などは除く)で、同じ品目で標準サイズと混ぜるときは(24−標準の個数)×5個で数える
  3. セット品や多数入りの物は、箱の数ではなく中身の数で数える
  4. 美容機器は、医療機器にあたる可能性がある物なら1セットにとどめる
  5. 少し前に頼んでまだ届いていない注文や、ほかのショップでの注文も合わせて数える

AliExpressは、海外の商品を買う海外通販サイトで、商品は海外から届きます。安さにつられて同じ物をいくつも入れやすいので、数を確かめてから注文してください。税がどのくらいかかるかはAliExpressの関税の記事で確かめられます。

AliExpressで化粧品や日用品を探す

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上限を超えるときは輸入確認証の申請

上の範囲を超えて個人輸入するときは、地方厚生局に申請して輸入確認証を取る必要があります。令和5年2月1日からは「医薬品等輸入確認情報システム」でオンライン申請もできます。

  • 関東信越厚生局(函館・東京・横浜税関の区域) 048-740-0800
  • 近畿厚生局(名古屋・大阪・神戸・門司・長崎・沖縄地区税関の区域) 06-6942-4096

化粧品が上限を超えたときの扱いは、質疑応答集に書かれています。「①個人輸入が可能な数量のみ輸入し、残りを廃棄(可能な場合は返送)とするか、②全てを返送又は廃棄することになります。実際の取扱いについては、貨物を保管している税関等にご相談ください。」

輸入確認証を取ったのに、確認証の数量より届いた現品が多かった場合は、超えた分を廃棄するか、輸入確認証を取り直す必要があります。化粧品以外の医薬品などで、申請せずに範囲を超えて届いた荷物の一般的な扱いは、公式サイトで確認できませんでした。超えそうなら注文を減らすか、発送前に厚生局へ相談するのが確実です。

人に売る・分ける・家族の分

厚生労働省のページには「輸入した医薬品等を、ほかの人へ売ったり、譲ったりすることは認められません。ほかの人の分をまとめて輸入することも認められていません。」とあります。化粧品も、自分で使う場合に限って認められている扱いです。

友人の分をまとめて頼んで送料を割る、使い切れなかった分をフリマアプリに出す、といった使い方はこれにあたります。未開封の化粧品が余ると売りたくなりますが、個人輸入した物は売る前提では買えない物と考えておくのが安全です。

家族の分を合わせて買ってよいという記述は、公式の文書で確認できませんでした。通知にある例外は、明らかに滋養強壮剤と判断できる物(ローヤルゼリー、高麗人参、ビタミン剤など)と医薬部外品を配偶者とともに使う場合で、配偶者の分も同じ範囲を加えてよいとされています。

動物用の医薬品(ペットの薬)は農林水産省が窓口

動物用の医薬品等(ペットの薬を含む)は、人の薬と窓口が違います。農林水産省のページ(最終更新 令和8年10月15日)によると、輸入には農林水産省での手続きが必要で、「個人で輸入される動物用医薬品等を日本国内で販売・譲渡することは禁止されています。」とされています。

扱いは薬の区分で分かれます。区分は農林水産省のページに図で示されていて、この記事では全部は説明しません。そのうち区分Bは「原則手続きが必要となります」とされ、「ただし、輸入個数が6個以下の場合は手続きが不要となる可能性があります。」とあります。区分Cは、対象動物に使う動物用医薬品の輸入ができません。買いたい薬がどの区分かは、農林水産省のページで確かめてください。問い合わせ先は消費・安全局 畜水産安全管理課(03-3502-8111 内線4531)です。

まとめ

化粧品・シャンプー・外用剤は1品目24個以内(化粧品の60g・60ml以下の少量品は120個以内)、医薬品・医薬部外品は2か月分以内、処方箋薬などは1か月分以内、家庭用の医療機器は1セットです。どれも箱数ではなく中身で、梱包を分けても同じ製品の総数で数えます。超えるときは地方厚生局で輸入確認証を申請し、化粧品が超えて届いた分は廃棄か返送になります。サプリの量の上限は公式で確認できませんでしたが、医薬品成分を含む物は医薬品扱いです。人に売る・譲ることはできず、ペットの薬を含む動物用の医薬品は農林水産省の手続きが必要です。

2026年10月時点で、量の決まりと税は別々に見られます。量を確かめたら、税の目安は計算ツールで出し、届いたときの払い方は関税・消費税の払い方の記事で確かめてください。

この記事は2026年10月23日時点の公式情報をもとにした整理で、法的助言や医療上の助言ではありません。迷ったときは地方厚生局や税関に確かめてください。

出典

-個人輸入の関税・消費税