eBayで商品が売れたあと、最初にぶつかるのが「どの発送方法で送るのが一番安いのか」という問題です。eBay Japanの発送管理ツールCPaSSを開くとDHLとFedExの見積もりが並びますが、そこには日本郵便のEMSも国際エアパケットも出てきません。つまりCPaSSの画面の中だけで比べていると、本当の最安値を見ないまま決めてしまうことになります。このページでは、運営者が実際に発送したときに記録した見積もり額と実費を並べて、同じ重量ならどれが安いのかをはっきりさせます。結論から言うと、同じ重量帯なら郵便局(EMS・国際エアパケット)がCPaSSのどの業者よりも安いというのが現時点の答えです。
結論 同じ重量ならCPaSSより郵便局が安い
先に結論だけ示します。いずれも日本から発送した実際の見積もり額・実費で、2026年9月時点に確認したものです。
| 発送方法 | 条件 | 金額 | 種別 |
|---|---|---|---|
| 国際エアパケット | 米国宛て 130g | 1,410円 | 実費(郵便料金1,040円+国際特定記録370円) |
| EMS | 米国宛て 500gまで | 3,900円 | 実料金(第4地帯・一律) |
| EMS | カナダ宛て 500gまで | 3,150円 | 実料金(第3地帯・一律) |
| CPaSS SpeedPAKエコノミー | 米国宛て 250g・15×10×8cm想定 | 4,294円 | 見積もり(CPaSS内最安) |
| CPaSS FedEx Connect Plus | 同上 | 5,480円〜 | 見積もり |
| CPaSS FedEx International Priority | 同上 | 5,752円〜 | 見積もり |
| CPaSS DHL | 同上 | 5,961円 | 見積もり |
| CPaSS DHL | カナダ宛て 120g・関税込みDDP | 5,408円 | 実費(実際に課金された額) |
250gという同じ条件で見ると、CPaSS内で一番安いSpeedPAKエコノミーが4,294円、一番高いDHLが5,961円。これに対してEMSは3,900円です。CPaSSの最安値ですら、EMSより約400円高いという結果になりました。さらに軽い荷物であれば国際エアパケットが使えるため、130gの実例では1,410円まで下がっています。EMSとの差は約2,500円、DHLとの差は4,500円以上です。
この差は1件あたりの利益がそのまま数千円変わる規模です。落札額50ドル前後の商品では、発送方法の選択だけで黒字と赤字がひっくり返ります。
比較の前提と選定基準
金額だけを並べても、条件がそろっていなければ比較になりません。この記事で使っている数字は次の基準で集めたものです。
- すべて日本から海外へ発送する場合の金額です。日本国内向けの料金は扱いません
- 金額は2026年9月時点に確認したものです。郵便料金も国際宅配便の料金も改定されるため、実際の発送時は必ず最新の料金で再確認してください
- 「見積もり」と書いたものは、CPaSSの配送割当画面に表示された推定配送料です。実際に課金された額ではありません
- 「実費」と書いたものは、実際に発送して課金された額です
- CPaSSの見積もりは15×10×8cm・250gという想定値で取得したものです。実測ではなく仮の値である点に注意してください
- 関税は送料と別枠で扱います。米国宛ての関税については後半で改めて整理します
比較対象は、日本のeBayセラーが現実的に選べる次の5系統にしぼりました。フォワーダーや独自契約のアカウントは、個人規模では料金が開示されないため除いています。
5つの発送手段の基本スペックを並べる
| 項目 | 国際エアパケット | EMS | CPaSS SpeedPAK | CPaSS DHL | CPaSS FedEx |
|---|---|---|---|---|---|
| 提供元 | 日本郵便 | 日本郵便 | Orange Connex | DHL | FedEx |
| 系統 | 国際郵便 | 国際郵便 | 国際宅配便 | 国際宅配便 | 国際宅配便 |
| 重量上限 | 2kg | 30kg程度(国別) | 業者規定 | 業者規定 | 業者規定 |
| サイズ上限 | 3辺合計90cm | 国別に規定 | 業者規定 | 業者規定 | 業者規定 |
| 料金の決まり方 | 重量帯別 | 地帯別・重量帯別 | 見積もり | 見積もり | 見積もり |
| 追跡 | 国際特定記録を付けて追跡可 | 標準で追跡可 | 追跡可 | 追跡可 | 追跡可 |
| 集荷 | 対象外 | Web集荷の対象 | 可(不具合の報告あり) | 可 | 可 |
| 関税の払い方(米国宛て) | Zonos Prepayで別途 | Zonos Prepayで別途 | ラベル作成時に一括 | ラベル作成時に一括 | ラベル作成時に一括 |
| 貴重品 | 不可 | 宛先国により不可 | 可 | 可 | 可 |
ここで押さえておきたいのは、CPaSSには日本郵便の選択肢が一切含まれていないという構造的な事実です。CPaSSはeBay JapanがOrange Connex社のSpeedPAKというプログラムを通じて提供している発送管理ツールで、選べるのは国際宅配便(クーリエ)系の4サービスだけです。郵便局の料金と比べたければ、必ず別の画面を開いて自分で確認する必要があります。
表ではEMSの上限を30kg程度としましたが、フィリピンのように20kgまでの国もあります。長さも多くの国で1.5m以内です。1個でこの上限を超える荷物は郵便では送れないため、箱を分けるか郵便以外の方法を選ぶことになります。国別の上限と超えたときの選び方は30kgを超える荷物を海外へ送る方法にまとめました。
実測ケース1 米国宛て250g CPaSS4社の見積もりを実際に取った
2026年9月6日、米国宛てに腕時計1個を発送する前提で、CPaSSの配送割当画面から見積もりを取りました。パッケージは15×10×8cm・250gという想定値です。表示された推定配送料は次のとおりでした。
| 配送サービス | 推定配送料 | 最安との差 |
|---|---|---|
| eBay SpeedPAK Economy | 4,294円 | 基準(CPaSS内最安) |
| eBay SpeedPAK – Ship Via FedEx International Connect Plus | 5,480円〜 | +1,186円 |
| eBay SpeedPAK – Ship Via FedEx International Priority | 5,752円〜 | +1,458円 |
| eBay SpeedPAK – Ship via DHL | 5,961円 | +1,667円 |
同じ荷物でも業者によって1,600円以上の開きがあります。これだけ見ればSpeedPAKエコノミーを選ぶのが正解に見えます。ところが同じ重量帯のEMSは第4地帯(米国)で500gまで一律3,900円。250gでも500gでも同じ3,900円ですから、CPaSSの最安よりさらに約400円安いという結果になりました。
CPaSSの見積もり画面は業者間の比較には便利ですが、「この中の最安=最安」ではありません。ここを勘違いすると、毎回400円から2,000円を余分に払い続けることになります。
実測ケース2 米国宛て130g 国際エアパケットの実費は1,410円だった
2026年9月9日、米国宛てにトレーディングカード1枚(申告価格49.99ドル)を発送しました。梱包後に実測した重量130g。この130gは梱包材を含めた発送時の総重量で、カード本体だけの重さ(Zonosの申告画面に出る内容品重量は22.8g)とは別物です。送料の重量帯はこの梱包込みの実測重量で判定されるため、計算するときは必ず梱包後に実測してください。このときの郵便料金の内訳は次のとおりです。
| 費目 | 金額 |
|---|---|
| 国際エアパケット 郵便料金 | 1,040円 |
| 国際特定記録(追跡のため付加) | 370円 |
| 郵便料金の合計 | 1,410円 |
同じ荷物をEMSで送っていれば3,900円です。差額は2,490円。この取引の最終的な利益は約2,415円でしたので、EMSを選んでいたらこの取引は赤字になっていた計算になります。発送方法の選択がそのまま損益を決めた例です。
取引全体の内訳も載せておきます。送料だけを切り出しても判断できないので、手取りからすべて引いた形で見る癖をつけておくと安全です。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 落札額 | 49.99ドル |
| eBay手数料控除後の確定手取り額 | 約6,377円 |
| 郵便料金(国際エアパケット) | -1,410円 |
| 関税(トレーディングカードは税率0%) | -0円 |
| 関税事前払いの手数料 | -552円 |
| 仕入原価 | -2,000円 |
| 手元に残った額 | 約2,415円 |
実測ケース3 カナダ宛て120g CPaSS(DHL)で実際に課金された額
2026年9月8日、カナダ宛てに真珠のネックレス(申告価格467ドル、実測120g)を発送しました。このときはEMSではなくCPaSS経由のDHLを使い、関税込みのDDP(元払い)で実費5,408円が課金されています。
なぜ安いはずのEMSを使わなかったのかというと、EMSでは引き受けてもらえなかったからです。真珠や貴金属といった貴重品はカナダ宛てに郵便局から発送できず、窓口で断られました。詳しくは別記事にまとめています。
あわせて読みたい カナダ宛て発送の注意点|貴重品はEMSで送れないことがある実例
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ここから分かるのは、料金表の上での最安が、その荷物で実際に使える手段とは限らないということです。品目と宛先国の組み合わせによっては、安い手段が最初から選べません。
送料だけで比べると判断を誤る 関税まで含めた着地コスト
ここまでは純粋な送料の話でした。ところが米国宛ての場合、2025年10月17日以降、日本から米国向けの2,500ドル未満の取引についてDDP(関税の元払い)が義務づけられています。つまり送料とは別に、出品者側が関税を先に払う必要があります。この分を計算に入れていないと、比較の前提が崩れます。
関税の払い方は、郵便かCPaSSかで仕組みが大きく変わります。
| 比較項目 | EMS・国際エアパケット | CPaSS(SpeedPAK・DHL・FedEx) |
|---|---|---|
| 方式 | 二段階方式 | 一段階方式 |
| 関税の支払い先 | Zonos Prepayという別アプリ | CPaSSの画面内 |
| 支払い回数 | 関税と郵便料金で2回(窓口で郵便料金) | 配送料+関税をまとめて1回 |
| ラベルの作成場所 | Zonos Prepayのアプリ内 | CPaSS |
| 税額の確定 | 申告時に確定 | 実際の査定と差が出たら後日調整 |
実際にZonos Prepayで払った関税と手数料の実績を並べると、内容品の価格帯によって性格が変わることが分かります。
| 発送日 | 品目 | 内容品価格 | 関税額 | 手数料 | 合計 | 内容品価格比 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2026-09-07 | 腕時計 | 18,527円 | 2,316円 | 793円 | 3,109円 | 16.8% |
| 2026-09-09 | トレーディングカード | 約7,800円 | 0円 | 552円 | 552円 | 7.1% |
| 2026-09-19 | 筆記具 | 3,611円 | 451円 | 608円 | 1,059円 | 29.3% |
手数料(通関手数料と為替コストの合計)は「556円+関税額×10.3%」という式で決まり(2026年9月21日に判明)、552円から793円の範囲に収まっています。関税がかからない品目でも基本料556円は必ずかかるため、商品が安くなるほどこの手数料が利益を圧迫する構造です。3,611円の筆記具では、手数料608円が関税451円を上回りました。
したがって、米国宛ての場合の「着地コスト」はおおまかに次の式になります。
米国宛ての着地コスト = 郵便料金または国際宅配便の送料 + 関税 + 関税事前払いの手数料(1件あたり550〜800円程度)
この計算は手で回すと面倒なので、当サイトのツールで一度にまとめて試算できるようにしてあります。発送コスト比較ツールでEMSとDHLの総額を試算すると、発送方法ごとの概算総額が横並びで出ます。関税を含めない送料だけの比較と、関税・手数料を含めた総額の比較を切り替えられます。
金額に出てこない隠れコスト 集荷が呼べるかどうか
送料が安いほうを選べば必ず得をするかというと、そうとも限りません。実際に運用してみると、金額表に載らないコストが2つあります。
1 郵便局まで持ち込む手間
米国宛ての関税事前払い済みラベル(国際エアパケットを含む)は、日本郵便のWeb集荷サービスの対象外です。集荷申込みの画面で選べる商品は11種類ありますが、その中に国際エアパケットという区分がそもそも存在しません。電話で集荷受付に確認しても、海外向けの集荷対象はEMSと国際小包のみという回答でした。
さらに米国宛ての郵便物は再開後、指定郵便局でしか引き受けてもらえません。運営者の居住する区では対象が3局しかなく、最寄りの郵便局では出せません。安い代わりに、毎回そこまで荷物を持って行く時間がかかります。
2 CPaSSは集荷が呼べるが不具合に当たることがある
CPaSSは自宅集荷を依頼できるのが利点ですが、CPaSS上の集荷リクエスト機能が動かず、集荷先住所のドロップダウンが「データなし」のまま選べないという事象に当たったことがあります。このときはDHLの公式サイト側から直接集荷を依頼して解決しました。
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安さだけで国際エアパケットに寄せると、1件あたり半日近くを発送作業に使うことになります。運営者は実際にこれを経験して、低単価の小物は新規に仕入れない方針に切り替えました。送料の差額2,500円と、往復の移動時間とを天秤にかける必要があります。
ケース別 結局どれを選ぶか
ここまでの実測をふまえた、現時点の使い分けです。
| 条件 | 推奨 | 理由 |
|---|---|---|
| 米国宛て・2kg以下・90cm以内・貴重品でない | 国際エアパケット+Zonos Prepay | 送料が圧倒的に安い。ただし指定郵便局への持ち込みが必要 |
| 米国宛て・2kgまたは90cmを超える | EMS+Zonos Prepay | 500gまで3,900円。CPaSS最安より安い |
| カナダ宛て・貴重品以外 | 国際エアパケットまたはEMS | Zonos Prepayは不要。EMSは500gまで3,150円 |
| カナダ宛て・真珠や貴金属 | CPaSS(DHL) | EMSでは窓口で引き受けを断られた実例がある |
| 高額品・急ぎ・集荷を使いたい | CPaSS(DHL・FedEx) | 送料は高いが関税が一括決済で手間が少ない |
| CPaSS内で選ぶ場合 | SpeedPAK Economy | 4社の中では最安。急ぎでなければこれ |
よくある失敗
- CPaSSの画面内だけで比較して決めてしまう。CPaSSには郵便の選択肢がないため、最安を見逃します
- 出品時の配送ポリシー名を信じてしまう。「送料無料」という名前のポリシーでも、実際には購入者が14.99ドルや29.99ドルを負担している設定になっていたことがあります。必ず出品ページのShipping欄か、注文詳細の実額で確認してください
- 関税を送料に含めずに損益分岐点を出す。米国宛ては関税が必ず乗ります。腕時計の実例では、送料3,900円のつもりが関税込みで7,009円になりました
- 重量を測らずに見積もりを取る。梱包後の実測が原則です。仮の値で取った見積もりは目安にしかなりません
- CPaSSで「追跡番号を取得」を押してしまう。このボタンで実際の課金が発生します。比較だけしたいなら、その手前の保存までで止めてください
同じカメラを何台もまとめて送るときは、1つの郵便物に入れる台数にも気をつけてください。電池入りのデジタルカメラは4台までなら送れますが、5台では送れません。予備バッテリーを箱に入れるのも不可です。電池の条件と送れない国は国際郵便・EMSで送れない物で取り上げています。
よくある質問
CPaSSにEMSを追加することはできますか
できません。CPaSSはOrange Connex社のSpeedPAKを通じた国際宅配便の管理ツールで、日本郵便のサービスは含まれていません。郵便で送る場合はCPaSSを使わず、発送後にeBay Seller Hubの注文画面から追跡番号を手動で追加します。
SpeedPAK Economyが4社の中で一番安いのに、なぜDHLを選ぶ場面があるのですか
配送日数と、貴重品を扱えるかどうかが理由です。カナダ宛ての貴重品のようにEMSで送れない荷物や、急ぎの荷物ではDHLを選びました。料金だけの比較ならSpeedPAK Economyが有利です。
eBay本体の「Get shipping label」は使えませんか
発送元住所が米国内でないと使えません。日本からの発送ではこの機能で完結しないため、CPaSSか、郵便局のルートを使うことになります。
国際エアパケットで真珠やアクセサリーは送れますか
貴重品にあたるものは引き受けてもらえません。真珠・宝飾品は郵便の区分によって扱えないことがあり、宛先国によってはEMSでも断られます。高額なアクセサリーは最初から国際宅配便を想定しておくほうが確実です。
この記事の金額はいつまで有効ですか
すべて2026年9月時点に確認した金額です。郵便料金も国際宅配便の料金も改定されますので、実際の発送時には必ず最新の料金表と見積もりで確認してください。特にCPaSSの見積もりは荷物ごとに変動します。
関税の概算だけ先に知りたいときはどうすればいいですか
発送コスト比較ツールに申告価格と重量・サイズ・品目を入れると、発送方法ごとの送料と関税の概算をまとめて出せます。関税を含めない「発送コストのみ」の表示に切り替えれば、純粋な送料比較もできます。実測データをもとに係数を調整していますが、軽量品では概算が実額より30〜40%高く出るケースが確認されているため、最終判断は実際の見積もり画面で行ってください。
まとめ
2026年9月時点の実測では、同じ重量帯であれば郵便局(EMS・国際エアパケット)がCPaSSのどの業者よりも安いという結果でした。250gの比較ではEMS 3,900円に対してCPaSS最安が4,294円、DHLが5,961円。130gであれば国際エアパケットの1,410円まで下がります。
ただし安さには条件がついています。米国宛ての関税事前払い済みラベルは集荷が使えず、指定郵便局への持ち込みが必要です。カナダ宛ての貴重品のように、そもそも郵便では引き受けてもらえない組み合わせもあります。送料の数字だけでなく、関税・手数料・持ち込みの手間までを含めた着地コストで比べるのが、結果的に一番損をしない選び方です。
判断の材料として、まずは発送コスト比較ツールで同じ荷物の総額を並べて試算するところから始めてみてください。値付けの段階で手取りまで確かめたい場合はeBay出品損益シミュレーションも合わせて使えます。
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出典
- CPaSS(cpass.ebay.com)の配送割当画面に表示された推定配送料 2026年9月6日取得
- 日本郵便 EMS料金(第3地帯・第4地帯) 2026年9月時点に確認
- 国際エアパケットおよび国際特定記録の実費 2026年9月9日の発送記録
- CPaSS(DHL)のカナダ宛て実課金額 2026年9月8日の発送記録
- Zonos Prepayの関税・手数料実績 2026年9月7日・9日・19日の3件