Shopeeフィリピンは販売手数料が低めで、トラフィック成長手数料もかかりません。そのかわり、プラットフォーム配送料が全セラーに料率でかかり、SLS送料のセラー負担は重さに比例して大きく増えます。公式記事と送料表から数字を拾い、原価と重さを入れれば売価の下限が出る形にまとめました。
- 手取り率は約81%(送料を除く)。販売手数料9.46%、決済手数料2.24%、プラットフォーム配送料5.60%、Payoneerの出金時約2%を引いた残りで0.8105
- 最低売価(円)=(仕入原価+国内集荷の1個あたり+梱包費+SLSセラー実質負担の円換算)÷0.8105
- SLS送料のセラー実質負担は100gで31PHP(約78円)、500gで231PHP(約580円)、1,000gで481PHP(約1,207円)。ゾーンに関係なく同じ額
- 50gごとに25PHP(約63円)ずつ増えるので、重い商品ほど不利です
- 関税と諸税は購入者負担で、発生するのは10,000PHPを超える注文だけ(VAT12%)。売価に織り込まなくてよい扱いです
確認日 2026年10月17日(Shopee Japan公式 セラー教育ポータル shopee.jp/edu の記事と公式送料表)
Shopeeフィリピンで引かれる手数料の内訳
一般セラー(Mallではない出店)の手数料は次のとおりです。
| 手数料 | 料率・金額 | かかる対象・条件 |
|---|---|---|
| 販売手数料 | 9.46%(VAT込) | すべての注文 |
| 決済手数料 | 2.24%(VAT込) | 注文金額(購入者が払う送料を含む) |
| プラットフォーム配送料 | 5.60%(VAT込) | 全セラー。2025年1月1日から |
| CCB | 3.36%(1オーダー上限₱100) | 任意加入した場合だけ |
| Payoneer出金 | 約2% | 日本の銀行へ出金するとき |
| 出店費用・月額・出品手数料 | なし | なし |
手数料にかかるVATの税率は12%で、上の料率はVAT込みの値です。Mallの場合、プラットフォーム配送料は4.48%になります。
プラットフォーム配送料5.60%は全員にかかる
フィリピンで見落としやすいのがこの手数料です。2025年1月1日から全セラーに送料無料バウチャーが適用され、それにともなって課金されるようになりました。以前の送料無料プログラム(FSS)は終了しています。加入するかどうかを選ぶものではないので、販売手数料と同じく売価の全体から引かれると考えて計算に入れてください。
「1商品あたり最大₱100」はまだ未確定
公式記事の表には「※1商品あたり最大₱100」という注記があります。ただ、この注記はMallの行の下に書かれていて、一般セラーにも当てはまるのかは表から読み取れません。この記事では上限なしの5.60%で計算しています。
上限が一般セラーにも当たるなら、高額品ほど手取り率が上がります。当サイトの計算では、売価30,000円の商品は5.60%で1,680円です。上限の₱100は約251円なので、差は約1,429円になります。高い商品を扱う場合は、セラーセンターの実際の明細で確かめてから値付けを詰めるのが安全です。
トラフィック成長手数料はかからない
ほかの国で始まったトラフィック成長手数料は、フィリピンは対象外です。新規セラーには90日間の販売手数料割引があり、割引中も1.75%(VAT抜き)はかかります。この記事は割引が終わったあとの料率で計算しています。SPayLater(後払い)に参加すると決済手数料の料率が変わりますが、ここでは参加しない前提です。
手取り率81%の出し方
売上から引かれる3つの料率を差し引き、残りを出金するときにPayoneerの2%がかかるので最後に掛け算をします。当サイトの計算です。
- (1 − 0.0946 − 0.0224 − 0.0560) × (1 − 0.02) = 0.8105
1注文ごとの固定手数料はないので、最低売価の式は原価と送料などを足して0.8105で割るだけです。
SLS送料はセラーが差額を負担する
Shopeeの国際配送(SLS)では、購入者が決まった額の送料(ESF)を払い、送料の実額との差額をセラーが負担します。フィリピンは4つのゾーンに分かれています。
| ゾーン | 地域 | 購入者が払う送料(ESF) |
|---|---|---|
| A | Metro Manila・Laguna・Cavite・Rizal・Bulacanなど | 50PHP |
| B | 公式送料表の地域区分による | 70PHP |
| C | 公式送料表の地域区分による | 100PHP |
| D | 公式送料表の地域区分による | 100PHP |
CとDはESFもレートも同じです。ESFはゾーンで変わりますが、セラーの実質負担はどのゾーンでも同額なので、値付けで届け先を気にする必要はありません。請求重量は実重量だけで、箱の大きさは送料に影響しません。
重量別のセラー実質負担
| 請求重量 | セラー実質負担 | 円換算 |
|---|---|---|
| 50g | 6PHP | 約15円 |
| 100g | 31PHP | 約78円 |
| 250g | 106PHP | 約266円 |
| 500g | 231PHP | 約580円 |
| 1,000g | 481PHP | 約1,207円 |
| 2,000g | 981PHP | 約2,462円 |
上限は50,000gで24,981PHPです。円換算は1PHP=2.51円で計算しました。欧州中央銀行の参照レート(2026年10月16日)のJPY177.82をPHP70.858で割った値です。公式の送料表の注記は1PHP=約2円です。
送料を式で出す
当サイトで公式表の全1,000行と照らし合わせたところ、次の式で表の数字がすべて再現できました。
- セラー実質負担(PHP)= 25 ×(請求重量gを50で割って切り上げ)− 19
50gごとに25PHP(約63円)ずつ増え、101gは150gと同じ扱いです。手数料率が低くても、重さが増えるとこの送料がすぐに効いてきます。重い商品は送料のせいで最低売価が大きく上がるので、フィリピンは軽い小物のほうが値付けしやすい国です。
関税と税は購入者負担
フィリピン向けの関税および諸税は購入者負担です。VATは12%で、10,000PHPを超える注文の場合にだけ発生します。フィリピン税関(Bureau of Customs)も、輸入の案内ページで、10,000ペソ以下の荷物には関税と税をかけないと書いています(2026年10月18日確認)。公式記事にも、発生しないケースがほとんどと書かれています。当サイトの換算では10,000PHPは約25,100円です。
セラーが税を負担する仕組みではないので、当サイトでは売価に関税やVATを織り込む必要はないと見ています。1オーダーの購入限度額は76,700PHP(公式の記載では約200,000円)です。
国内集荷SPSの料金
SLSの料金には国内のShopee拠点までの送料は入っていません。国内集荷サービス(SPS)はタイ向けと共通で、2kg・60サイズまで710円(税抜、税込781円)、沖縄・離島は対象外です。1回の集荷ごとの料金なので、5個まとめれば1個あたり156.2円になります。
最低売価の計算例
この額で売ると利益がちょうどゼロです。実際の売価は、欲しい利益と割引の余地を足して決めます。以下の仕入原価・梱包費・集荷のまとめ方は関税ナビ編集部が置いた仮定で、数字はすべて当サイトの計算です。為替は1PHP=2.51円、国内集荷SPSは税込781円を1回の集荷額として使い、PHPの円換算は端数を丸めずに足し、最低売価は1円未満を切り上げています。プラットフォーム配送料は上限なしの5.60%で計算しています。
| 例 | 請求重量 | 原価 | 梱包 | 国内集荷 | SLS負担 | 最低売価 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 例1 軽い小物を1個で集荷 | 100g | 1,000円 | 50円 | 781円 | 31PHP | 2,356円(約938.65PHP) |
| 例1' 同じ小物を5個まとめて集荷 | 100g | 1,000円 | 50円 | 156.2円 | 31PHP | 1,585円(約631.47PHP) |
| 例2 | 500g | 3,000円 | 100円 | 781円 | 231PHP | 5,504円(約2,192.83PHP) |
| 例3 | 1,000g | 8,000円 | 150円 | 781円 | 481PHP | 12,509円(約4,983.67PHP) |
例1と例1'の計算過程
SLS負担は31×2.51=77.81円です。例1は1,000+50+781+77.81=1,908.81円、これを0.8105で割って2,355.10円、切り上げて2,356円です。例1'は集荷代が781÷5=156.2円になるので、合計1,284.01円、0.8105で割って1,584.22円、切り上げて1,585円です。
集荷のまとめ方だけで最低売価が771円変わります。安い小物ほど781円の集荷代が重く効くので、注文をためてから集荷を頼むと値付けに余裕が出ます。
例2の計算過程
SLS負担は231×2.51=579.81円です。3,000+100+781+579.81=4,460.81円、0.8105で割って5,503.78円、切り上げて5,504円です。
例3の計算過程
SLS負担は481×2.51=1,207.31円です。8,000+150+781+1,207.31=10,138.31円、0.8105で割って12,508.71円、切り上げて12,509円です。送料のセラー負担だけで1,200円を超え、重さの影響がはっきり出ます。
例1から例3はいずれも10,000PHPを下回るので、VATは発生しません。かりに発生しても購入者負担です。
決済手数料は送料にもかかる
決済手数料2.24%の対象は購入者が払う送料(ESF)を含む注文金額なので、厳密にはESFの2.24%分だけ手取りがさらに減ります。逆に上の式はSLS負担まで割り戻すので、少し高めに出ます。どちらも小さなずれです。
シンガポール・タイ・マレーシアとの違い
手数料の並び、送料の決まり方、税の負担者は国ごとに違います。日本から出品できる7か国を同じ条件で並べた比較はShopee7か国の手数料と手取りの比較にまとめています。国別の詳しい数字はタイ、シンガポール、マレーシアの記事をご覧ください。
まだ確かめていないこと
- プラットフォーム配送料の「1商品あたり最大₱100」が一般セラーにもかかるかどうか。公式の表ではMallの行の下に書かれているため、この記事では上限なしで計算しています。上限が当たる場合、高額品の手取り率は上がります
この国で出品できない商品と、日本から送れない商品は、国別の出品不可・送れない商品(Shopee 7か国)にまとめています。仕入れの前に確かめてください。
計算ツールについて
重さと原価を入れると最低売価と手取りが出るShopee 手取り・最低売価計算(フィリピン)を用意しています。国を選ぶとその国の料率と送料表で計算し、決済手数料の送料分まで入れます。この記事の計算例は送料のセラー負担にもPayoneerの手数料をかけた安全側の計算なので、ツールの最低売価は少し低く出ます。
まとめ
Shopeeフィリピンの手取りは送料を除いて約81%です。最低売価は、原価と国内集荷・梱包・SLS負担を足して0.8105で割れば出ます。販売手数料は低いものの、プラットフォーム配送料5.60%が全員にかかり、送料のセラー負担は50gごとに25PHPずつ増えます。税は10,000PHPを超える注文で購入者が払う仕組みなので、売価に織り込む必要はありません。軽い商品から始め、重い商品は送料込みで下限を確かめてから出品してください。
出典
いずれも2026年10月17日に確認しました。articleはshopee.jp/edu/article/番号の記事です。
- article/11750:料金表(販売手数料9.46%、決済手数料2.24%と対象額、VAT税率12%)、新規90日割引と割引中の1.75%、Payoneerの約2%、出店費用なし
- article/23665:プラットフォーム配送料(一般セラー5.60%、Mall 4.48%、1商品あたり最大₱100の注記)、2025年1月1日からの適用とFSSの終了、CCB 3.36%
- article/20247:SPayLater参加時の決済手数料
- article/28206:トラフィック成長手数料の対象国(フィリピンは対象外)
- article/11168:関税と諸税の購入者負担、VAT12%と10,000PHPの基準、1オーダーの購入限度額
- Shopee公式スプレッドシート「SLS送料レート」(JP-PH):請求重量、ESF、重量別のセラー実質負担、国内集荷SPSの料金
- 欧州中央銀行 euro foreign exchange reference rates(2026年10月16日 JPY177.82、PHP70.858):円換算レート1PHP=2.51円の算出
本記事は2026年10月17日時点の公式情報にもとづく試算です。手数料や送料、税率は改定されることがあるので、出品前にセラー教育ポータルとセラーセンターで最新の料率を確認してください。