ツールの使い方

eBay出品損益シミュレーションの使い方|損益分岐点の読み方と料率の直し方

eBay出品損益シミュレーションは、出品価格を決める前に手数料・為替・関税・送料をすべて差し引いて手元にいくら残るかを確認するツールです。画面下には損益分岐点も出ます。このページでは入力欄の意味と分岐点の読み方を説明しますが、いちばん伝えたいのは初期値のeBay手数料22%・為替手数料2%・米国関税17%は目安でしかなく、自分の取引明細から実績値を出して入れ替えるべき数字だということです。順に説明します。

ツールの構成

ツールは eBay出品損益シミュレーション にあります。カードが4枚縦に並んでいて、上から「仕入れと販売価格」「実際にかかる配送費」「差し引かれる料率」「損益の内訳」という順です。入力したそばから再計算されます。

仕入れと販売価格

項目 初期値 入れる数字
原価 8,500円 仕入価格に仕入時の送料を足した額
為替レート 150 円/USD 円換算に使うレート。自動取得はしない
商品価格 149.99 USD 出品ページに出す価格
購入者負担の送料 29.99 USD 購入者が別途払う送料。送料無料出品なら0

購入者負担の送料は必ず確認してから入れてください。eBayの配送ポリシー名が「送料無料」でも、実際は購入者が別途負担している出品があります。eBay手数料の対象になるのは商品価格とこの送料の合計なので、ここを0のままにすると手数料を過小評価します。確認の手順は

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実際にかかる配送費

自分が運送会社に払う額です。上のボタンでよく使う金額を選べます。トレカ・小物1,500円、アクセサリー2,200円(初期選択)、時計・美容家電3,000円、衣類・EMS500g 3,900円、それとカスタム(押すと入力欄に移動します)の5つです。

プリセットは荷姿の当たりをつけるためのもので、実重量とサイズが分かっているなら発送コスト比較ツールで出した金額を入れるほうが正確です。

差し引かれる料率

eBay手数料22%、為替・受取手数料2%、米国関税17%が初期値です。どれも円換算後の売上合計に掛かります。合計が20ドル以下のときだけ関税を0として計算する仕様になっています。

損益の内訳と判定の読み方

初期値のまま計算すると次のようになります。

項目 金額 計算
売上合計 26,997円 (149.99+29.99)×150
eBay手数料 −5,939円 26,997×22%
為替・受取手数料 −540円 26,997×2%
米国関税(概算) −4,589円 26,997×17%
配送費 −2,200円 選択したプリセット
原価 −8,500円 入力値
手取り 5,228円 差し引き

判定は3段階です。

  • 赤字 … 手取りがマイナス。この価格では出さない
  • 薄利 … 手取りが3,000円未満。黒字だが利益は薄い
  • 黒字 … 手取りが3,000円以上

3,000円という区切りは運営側で決めた基準です。一点ものの中古品なら関税込みで5,000円以上残したい、トレカや小物は赤字でなければよい、といった具合に商材ごとに基準は変わるので、薄利という表示が出たかどうかより、手取りの実額を自分の基準と突き合わせてください。

損益分岐点の読み方

表の下に「損益分岐点は $90.91(購入者負担の送料 $29.99 はそのままの前提)。手元に残る割合は売上の約59%です」という一文が出ます。この2つの数字の関係を押さえれば、ツールなしでも暗算ができます。手元に残る割合は、100%から料率の合計を引いた値です。

  • 100% − eBay手数料22% − 為替手数料2% − 関税17% = 59%

次に、原価と配送費を回収するのに必要な売上を求めます。

  • (配送費2,200円 + 原価8,500円) ÷ 0.59 = 約18,136円

これを為替で割ってドルに直し、購入者が払う送料を引くと商品価格の分岐点になります。

  • 18,136円 ÷ 150 = 約120.90 USD
  • 120.90 − 29.99 = 約90.91 USD

購入者負担の送料を引くのがポイントです。購入者が送料を払っている出品では、商品価格の分岐点はそのぶん下がります。送料無料前提の式で計算すると黒字の出品を赤字と誤判定します。実際に運営側でも、この混同で出品中の複数件を赤字と読み違えたことがあります。

料率の合計が100%を超える数字を入れると分岐点は計算できず、その旨のメッセージに切り替わります。

損益分岐点は、仕入れ値をもとに最低いくらで売ればよいかを出す考え方です。反対に売れそうな値段を先に決めて、仕入れてよい上限を出すこともできます。たとえば米国へEMS 1kgで売上20,000円なら、利益0の上限は9,700円で、そこから関税などの費用も引きます。手順はeBay輸出の仕入れ値の上限|売れる値段から逆算して国内相場と比べるにまとめました。

初期値の3つの料率は自分の数字に入れ替える

ここが本題です。22%・2%・17%は運営者が実際に売れた取引から逆算した平均値で、あなたのカテゴリ・ストア契約・品目では違う数字になります。使い続けるほど、自分の実績値に入れ替える価値が大きくなります。

eBay手数料の実績値の出し方

Seller Hubの取引明細で、1件ごとに「手数料 ÷ 売上(商品価格+購入者負担送料)」を計算します。運営者側の2026年8月の実測は次のとおりでした。

商品 売上 手数料 実効料率
カシオ腕時計(クロアチア) $34.98 $8.31 23.8%
腕時計 AE-1200(米国) $55.98 $11.43 20.4%
トレカ モルペコ(米国) $42.98 $7.90 18.4%
トレカ ゼクロム(イタリア) $112.98 $20.09 17.8%
トレカ アブリボン(韓国) $45.99 $7.82 17.0%

幅が17%から24%まで開いています。差が出る要因は3つあります。ひとつはカテゴリごとの落札手数料の違い。ふたつめは出品1件あたり$1.10かかるSpecial Duration Feeのような固定費で、これは売上が小さいほど料率を押し上げます。みっつめはEU向けのVATで、税は売上ではないのに手数料の計算には含まれるため、売上で割ると料率が高く出ます。初期値の22%は、この固定費まで含めた平均です。直近10件ほどの実効料率を並べて中央あたりを取れば、自分の数字になります。

為替・受取手数料

初期値の2%は、日本のセラーが使うPayoneerの為替上乗せを見込んだ数字です。卸売市場レートに2%上乗せする形でレートに内包されるため明細上は見えにくく、着金額と当日レートを突き合わせて逆算することになります。

米国関税

初期値17%の根拠は、米国宛てで実際に払った関税の実測です。ただし品目でまったく違います。

品目 内容品価格 関税額 関税率
腕時計(G-SHOCK) 18,527円 3,109円 16.8%
ボールペン 3,611円 451円 12.5%
トレーディングカード 約7,800円 0円 0%

トレカを売るセラーが17%のまま使うと、実際にはかからない関税を毎回4,000円以上引いた状態で判定することになり、売れる価格で出品できなくなります。扱う品目のHTSコードで実際に払った率が分かっているなら、必ずその数字に直してください。

入力はブラウザに残る

為替レートとこの3つの料率は、いったん書き換えるとそのブラウザに保存され、次に開いたときに復元されます。原価や商品価格は保存されません。自分の実績値を1回入れておけば毎回入れ直す必要はないということです。保存先はブラウザの中だけで、サーバーには送信されません。

このツールが簡略化している点

正確さのために、割り切っている部分も書いておきます。

  • 関税を売上合計(商品価格+購入者負担送料)に掛けている。実際の関税は申告する内容品価格が基数なので、やや多めに見積もることになる
  • 郵便局から出す場合のZonos手数料が独立した項目になっていない。実測では552円から793円の範囲で、「556円+関税額×10.3%」という式に整理できる。低額品ほど比率として重い
  • 合計20ドル以下を関税0としているが、2026年9月時点で米国宛ての販売品は価格にかかわらず関税の事前手続きが必要。金額が小さくても手間は同じだけかかる
  • 返品・未着のリスクや、eBayストアの月額費用は計算に入っていない

どれも安全側か危険側かがはっきりしている簡略化です。関税の基数は安全側(多めに引く)、Zonos手数料の欠落は危険側(手取りが多く出る)なので、低額品を郵便局から送るときは手取りから560円ほど引いて見るくらいがちょうどよくなります。

まとめ

このツールは原価・販売価格・配送費・3つの料率から手取りと損益分岐点を出します。分岐点の式は「(配送費+原価)÷(100%−料率合計)を為替で割り、購入者負担送料を引く」で、購入者が送料を払っている出品ほど商品価格の分岐点は下がります。初期値の22%・2%・17%は運営者の実測平均であって正解ではありません。取引明細から自分の実効料率を出して入れ替えれば、そのブラウザに保存されて次回以降も使えます。とくに関税率は品目で0%から17%まで開くので、ここを直さないまま使い続けるのは避けてください。数値は2026年9月時点のものです。

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