関税ナビの発送コスト比較ツールは、日本から米国へ荷物を送るときにEMS・国際エアパケット・DHL・FedEx(CPaSS)のどれが安いかを並べて比べるツールです。入力するのは重量と箱の三辺だけで、容積重量は自動で計算されます。このページでは各入力欄が計算のどこに効くのかと、「関税なしで比較」「関税込みで比較」という2つのモードをどう使い分けるのかを説明します。結論を先に書くと、まず関税なしモードで送り方を決め、そのあと関税込みモードで着地総額の当たりをつけるのが精度の面でも判断の面でも合理的です。
ツールの場所と全体の流れ
ツールは 発送コスト比較ツール にあります。使う順番は次のとおりです。
- 宛先は米国で固定。ほかの国は現在対応していません
- 実重量と箱の縦・横・高さを入れる
- 画面上部のボタンで「関税なしで比較」か「関税込みで比較」を選ぶ
- 関税込みを選んだときだけ、申告価格・為替レート・品目カテゴリの入力欄が追加で出てくる
- 配送方法ごとの概算総額が並び、いちばん安いものに「最安」のバッジが付く
入力は打ち込んだそばから再計算されます。計算ボタンはありません。
入力項目の意味
実重量(初期値250g)
はかりに載せた重さです。注意書きのとおり梱包材を含んだ重さを入れます。商品そのものの重量を入れると、緩衝材と箱のぶんだけ軽く出て、料金帯をひとつ読み違えます。EMSは500gまでが一律料金なので、480gのつもりが箱込みで520gだった、というのがいちばん起こりやすいずれ方です。
縦・横・高さ(初期値15×10×8cm)
箱の外寸です。この三辺から容積重量が計算されます。式は国際宅配便で一般的な次のものです。
- 容積重量(kg) = 縦(cm) × 横(cm) × 高さ(cm) ÷ 5,000
初期値の15×10×8cmなら1,200立方センチメートルで、÷5,000で0.24kg、つまり240gです。実重量250gのほうが大きいので、この荷物は実重量で課金される側にいます。結果表示の右上に「請求重量 約250g(実重量 250g / 容積重量 240g)」と出るのはこの計算の結果です。
容積重量は、DHL・FedEx(CPaSS)の請求重量の計算と、この請求重量の表示に使われます。EMSと国際エアパケットの料金は実重量で引くので、容積重量は関係しません。
三辺は国際エアパケットが選択肢に出るかどうかの判定にも使われます。条件は日本郵便の公式条件に合わせてあり、実重量2kg以内、縦・横・高さの合計90cm以内、最も長い辺60cm以内で、貴重品でないときだけ、国際エアパケットが比較対象に加わります。重量は実重量で判定し、容積重量では判定しません。条件を外れると一覧から消え、結果の下の注記に理由が太字で出ます。たとえば「最も長い辺が60cmを超えるため国際エアパケットは候補から外しています。」といった形です。突然選択肢が減ったときは、この注記でどの条件を超えたかを確認してください。
貴重品のチェックボックス
真珠や貴金属を送るときに入れる項目です。チェックを入れると、国際エアパケットは候補から外れます。EMSの金額は変わらず、「貴重品は宛先国により引受不可の実例あり」という注記と、カナダ宛てEMSで引受不可になった実例の説明が出ます。カナダ宛てで貴重品がEMSで引受不可になった実例が運営者側にあり、その注意喚起のための項目になっています。米国での引受可否までは確認できていません。窓口で断られたときはCPaSS(DHL/FedEx)への切り替えを検討してください。
関税込みモードでだけ出る3項目
| 項目 | 初期値 | 計算での使われ方 |
|---|---|---|
| 申告価格(内容品価格) | 128.53 USD | 為替を掛けて円にしたうえで、関税とZonos手数料の基数になる |
| 為替レート | 149 円/USD | 申告価格を円に換算する。自動取得はしないので手で直す |
| 品目カテゴリ | 腕時計(目安15%) | 選んだ区分の税率が関税率としてそのまま使われる |
品目カテゴリは衣類12%、バッグ・革製品10%、アクセサリー・宝飾品5.5%、腕時計15%、トレーディングカード・玩具0%、家電・美容機器2%、その他雑貨4%の7区分です。いずれも2026年9月時点の目安で、実際の税率は品目のHTSコード判定で決まります。
2つのモードの使い分け
関税なしで比較 — 送り方を決めるためのモード
初期状態はこちらです。送料だけを横に並べるモードで、申告価格も品目カテゴリも入力しません。初期値の250g・15×10×8cmで計算すると次のように並びます。
| 配送方法 | 概算送料 | 備考 |
|---|---|---|
| 国際エアパケット | 1,620円 | 実重量2kg・3辺合計90cm(最長60cm)以内のみ |
| EMS(国際郵便) | 3,900円 | 500gまで一律 |
| SpeedPAK エコノミー | 4,294円 | CPaSS経由 |
| FedEx Connect Plus | 5,480円 | CPaSS経由 |
| FedEx Priority | 5,752円 | CPaSS経由 |
| DHL | 5,961円 | CPaSS経由 |
このモードの価値は結果の順位そのものよりも、不確実な要素がひとつも入っていないことにあります。送料の計算に必要なのは重量とサイズだけで、どちらも自分のはかりとメジャーで確定できる数字です。日本郵便の2本は公表の重量帯表をもとにしており、制度が改定されない限り動きません。2026年10月17日に、この2本を日本郵便の公式料金表(米国宛て)の「〜gまで」の段階料金をそのまま使う形に直しました(以前の表では国際エアパケットが250〜430円高く、EMSは600g以上で安く出ていました)。
関税込みで比較 — 着地総額の当たりをつけるモード
こちらは送料に米国関税とZonos手数料を足した総額を出します。送料の前提は関税なしモードと同じで、上に乗る項目が増えるだけです。初期値(申告128.53 USD・149円/USD・腕時計15%)だと関税が約2,873円、Zonos手数料が約852円(556円+関税額×10.3%で計算、2026年9月21日改定)で、次のようになります。
| 配送方法 | 概算総額 | 内訳 |
|---|---|---|
| 国際エアパケット | 約5,345円 | 送料1,620+関税2,873+Zonos 852 |
| SpeedPAK エコノミー | 約7,167円 | 送料4,294+関税2,873 |
| EMS(国際郵便) | 約7,625円 | 送料3,900+関税2,873+Zonos 852 |
| FedEx Connect Plus | 約8,353円 | 送料5,480+関税2,873 |
| DHL | 約8,834円 | 送料5,961+関税2,873 |
CPaSSの行にZonos手数料が乗っていないのは表示漏れではありません。CPaSSは送料と関税をまとめて1回で決済する仕組みで、Zonosという別アプリを経由しないからです。郵便局から出す場合だけZonos Prepayの手続きが挟まり、その手数料が乗ります。
関税なしモードのほうが精度が高い理由
同じツールなのに、なぜ片方のほうが精度が高いと言えるのか。入力のうち自分で確定できる数字と、他人が決める数字が混ざっているかどうかの違いです。
- 関税なしモードで使う数字は重量とサイズだけ。どちらも発送前に自分で測って確定できる
- 関税込みモードは、これに関税率が加わる。関税率は税関が品目のHTSコードをどう判定するかで決まり、こちらでは決められない
- カテゴリ選択は7区分しかない。実際のHTSコードは細かく枝分かれしており、同じ「アクセサリー」でも素材や加工で税率が変わる
- Zonos手数料の式(556円+関税額×10.3%)は実測3件を根拠にした暫定式で、誤差は1%以内だが、より高額な品目での検証はできていない
つまり関税込みモードは、ツールが正確でも入力に使う税率が当たっていなければ結果が外れます。関税率という不確実な要素が入らないぶん、関税なしモードのほうが構造的に精度が高くなります。
実務での順番
まず関税なしモードで送り方を決めます。ここで比べているのは自分で決められることなので、判断の材料としてはこれで足ります。次に関税込みモードで着地総額の当たりをつけますが、関税部分は概算だと割り切って余裕を持たせてください。出品価格に反映させるなら、eBay出品損益シミュレーションに数字を移すと手数料まで差し引いた手取りと損益分岐点が出ます。
結果の読み方で注意したい点
日本郵便のEMSと国際エアパケットは、料金の計算に実重量を使っています。一方でCPaSSの4社は、実重量と容積重量の大きいほうである請求重量を基準に金額をスケールします。軽くてかさばる荷物ほど、郵便と宅配便で結果の開き方が大きくなります。
そのCPaSSの4社は実例1件(250g・15×10×8cm)を基準にした概算です。倍率は0.6倍から4倍の範囲に制限をかけてあり、極端に軽い荷物でも0.6倍より下がりません。120g程度の軽量品では概算が実額より30〜40%高く出たケースが確認されています。詳しくは
あわせて読みたい よくある質問|通関コストナビの計算結果はどこまで正確か、誤差が出やすいケース
精度と誤差についてのFAQにまとめました。
まとめ
発送コスト比較ツールの入力は、重量・サイズ・貴重品の有無が基本で、関税込みモードに切り替えたときだけ申告価格・為替・品目カテゴリが増えます。重量は必ず梱包材込みで測り、サイズは箱の外寸を入れてください。2つのモードは、関税なしで送り方を決め、関税込みで着地総額の目安をつける、という順番で使うのが実務に合っています。関税率は自分では決められない数字なので、関税込みの結果は幅のある概算として扱うのが安全です。数字は2026年9月時点の公表資料と実際に発送した荷物の実測値に基づいています。